さくらちゃん教

誰かの言葉に魅せられて離れられない時ってありますか。その人を尊敬し、その考えを尊重しそこに重きを置いて行動した時、それはもう宗教なのかもしれません。

お姉ちゃん、と呼びなさい。

今日からあなたは私の弟、かわいいかわいい私の弟。これからは、優しい優しいさくらお姉ちゃん、と呼びなさい。呼び捨てで呼んだら、許さないわよ。呼んでみて。そう、上手じゃない。優しい優しいさくらお姉ちゃんは、かわいいかわいいあなたのことが、大好きよ。キスさせて。お姉ちゃんキモい、なんて言わないで。おかしくなんかないわ。私たち、昔から、こうやってキスしてきたじゃない。兄弟なかよくキスしましょう。背徳感という蜜がかかった唇は、なんて、最高なのかしら。弟に、キスするからって、欲求不満なわけではないですよ。私にフォールインラブする人だったらたくさん居るわ、わたしの方はフォールなんてしないけど、ロープで引っ張ってくれる関西弁の素敵な女友達、もっているから。ただ、単純に、そこに、かわいい唇。その唇があるってゆうのに、我慢できなくなっただけ。ほら、あなたの口もしぼんできた、残ったタピオカ吸い込むみたいに。待ちきれれないのね、口を半開きにさせて。ずるい、あざとい、くりっとした目でこっちを見ないで。いつも、濡れているように見える、女の子の目。その目からこぼれ落ちた水に触れたら、手が勝手におなかにいくの、かろうじて食べることのできそうな柔らかいお肉にありつくの。仕方がないわ。「まずいよ、お姉ちゃん」なんて、言わないで。3桁×3桁のかけ算だって一瞬で計算できる、お姉ちゃんに、全部、任せてみなさいよ。欲求不満を疑わないで、私はいつでも満たされた女。あなたは私のかわいいかわいい弟だから、まだまだ子供のはずだから。え。お姉ちゃんになんて、興奮するはず、ないんでしょ。だったらどうして、そんな慌てるの、慌てたって逃げられないわ。だってあなたは弟だから、お姉ちゃんからは逃げられない。息を吹き込み堪忍袋を広げなさい、堪忍するのよ、絶対よ。それから、「ごめんなさい、もう逃げようとしません」って、言いなさい。そんなに言うなら、許してあげる。せっかくだから、もう一回。仲直りはお口から。目は口ほどにものを言う。口は目ほどにもの見える。お姉ちゃんは、うれしいわ。お姉ちゃん、いつもは自信たっぷりだけど、ほんとは少し不安なの。あなたがかわいすぎるから。黄色い笑い声を響かせる台風に、連れ去られてしまいそう。お願い、どこにも行かないで。ずっと私の腕の中、きっと心地は良いんだから、冒険せずにここに居て。「now or never」と書かれたTシャツの、匂いは逢うたび濃くなってく。どうして最初は、空気と同じ匂いだったのに、今ではそばにいなくたって、その匂いがするのかしら。不思議だわ、きっと、科学者の私のパパだって、解明できない、姉と弟だけのミステリー。そろそろ、ズボンとパンツを脱いで、お姉ちゃんとあなたが本当の兄弟じゃないってこと証明するわ。DNA鑑定?あんなの信用できないわ、北島三郎をかわいいと言う女と同じくらい信用できない。DNA鑑定よりも正確なのは。正確なのは、こうすることよ。

ね、分かったでしょ、お姉ちゃんとあなたは、正真正銘、血がつながってないってこと。今日からあなたは私の男。